査定価格の話

日頃はお客さんから一括査定の依頼を受けて、その中の1社の担当者として訪問査定を行っているのですが、他社さんとの媒介契約を取り合っているという状況ではありません。よくサイトの解説などで一括査定で出される価格は実際に売れる価格とは全然違う、と書かれていますが本当に現場を知っているのかと疑いたくなりますね。

たしかに専任媒介を勝ち取るために数百万円も査定価格をアップしてお客さんに出している企業もあります。ただ、そういう会社ほどあとでトラブルに発展しているのをよく聞くので、うちは現実の価格を大きく上回る価格を提示していません。むしろ価格は低めに出しています。それでも良ければ媒介契約を結んでいただいてそれから売りに出します。

どうしてこのようなやり方にしているかというと、結局は媒介契約はただの依頼だけであって、儲かるかどうかは売却できるかどうかの話なんです。例えば3000万円ぐらいだろうなと思っていた物件を3500万円で売れると無理言って媒介契約を取るより、正直に3000万円ぐらいとお伝えして売りやすい物件を手元に置いておく方がよっぽど楽です。もちろんレインズには登録しませんし、うまくいけば両手で稼ぐことができます。3000万円の6%ですから大きいですよね。

あと、他社さんが3500万円と言ってトラブルになったお客さんが、その会社と媒介契約をやめてうちに来てくれることがあります。高い買い物、高い売り物ですから一番大事なのは信用です。なので、うちは本当のことしか言いませんし、適切なアドバイスはその都度させてもらっています。

そうすると、そのお客さんがまた新しいお客さんを連れてきてくれる。今では仕事の半分以上が査定サービス以外の紹介です。ネット情報の真偽もいろいろ噂になっていましたが、そういうことに影響されないように真摯に営業活動をしていきたいものです。

参考サイト → Allabout 不動産売却「一括査定」の仕組みと使い方

高さ制限の話

以前に査定を依頼された物件の中で、周辺土地よりもどうしても大幅に価格を下げないといけない土地があった。築20年以上経っており建物価格はほぼゼロ、土地の値段のみが査定対象となる上に解体費用で200万円ほどのマイナス分が差し引かれる。もちろん建物をそのまま使ってもらえる人に購入していただけるのであれば解体費用を差し引くこともなく交渉もできるが、最近は購入する人も勉強している人が多く値段交渉の際には必ずといっていいほど言われる。

さて、なぜそこの土地が大きく査定価格が下がったのか?その理由の1つが「高さ制限」。用途地域によっても異なるが、北側斜線、道路斜線、隣地斜線、絶対高さ、日影規制、その他条例によって建築物の高さが決められる。その土地は南北に長い土地で、北側道路(幅員4m)に隣接している。南側は宅地になっていて北側いっぱいまで寄せて建てられている。

こういう条件の土地で低層住居だと設計プランが限られてくるんです。どうしても北側に駐車場を設けないといけない、となると1階はピロティやカーポートにして居室を作るのが難しくなったり、最悪の場合はフロ・洗面などの水回りさえも1階に持ってくるのが難しくなる。こうなると1階の余ったスペースは収納スペースと階段、玄関のみとなってしまって、2階・3階の限られたスペースの中に必要な居室やリビング、風呂などを持ってくるしかない。

こういうプランしか作ることができない条件の厳しい土地は、これから家を建てて子どもを育てるという夫婦に売却するのが難しい。かといって、投資物件としてアパートを建てるのにも部屋数が少なくなってしまって収益性が見込めない。長年ずっと空き地になっているような土地はこんな条件になっているので、買う前に専門家によく相談するなど注意してください。

参考サイト → パナソニック 住まいづくりの基礎知識 高さ制限